詩 幾千万の言葉の中で

幾千万の言葉の中で
幾千億の孤独を感じる
幾千兆の音楽の中で
幾千京の孤独を感じる
大きな時間、小さな時間
僕は子供だった
小さな世界、大きな世界
僕は未熟だった
まるで成熟していないのに熟成された
ブドウ酒のように 
僕は世界に放り出されてしまった
家に帰ろうとしたら
家の大黒柱は腐っていた  
テレビのように
時間は巻き戻すことは出来ないし 
ギャンブルで負けた男のように
世界を掴むことは出来ない
僕は子供のまま
冷たい水の中を泳いで行かなけばならない
羊水のぬるま湯はどこかに行ってしまった
僕は未熟なままなのに
僕は帰るべき家を失い
拠って立つ地面から浮いてしまった 
羽根のないまま
吹雪の空を飛ばなければならない
そして那由多の孤独の中で
僕は言葉を産み出そうとしている