詩 祈りが弾けて

あけましておめでとうございます。今年も宜しくお願い致します。

 

 

祈りが弾けて

詩が生まれる

 

私の血肉には

二つの血が流れている

神から出たものと

悪魔から出たものだ

詩はどちらかといえば

悪魔から出たものだと思う

嘆き、つぶやき、ルサンチマン、異常な興奮

それらのものを切り分けて

神の詩を書こうとしていた

だけど、悪魔の血は

ネガティブなものに執着するように命じる

私は今は、悪魔の詩を書こうと思う

お尻の穴がむずむずするような

悪徳を書こうと思う

 

全身タイツを履いた女が迫ってくる

彼女は下着を付けていない

俺のペニスはむずむずして

お尻の穴が湿ってゆくのを感じる

俺は女を触りたいと思った

胸や股間を強く握りしめたいと思った

女の方もヨガっていた

パンツを履いていないと天にも昇る心地だと

しかし俺には触らせない

女はこのまま走ってゆくのが気持ちいいらしい

俺のペニスはもうどうにもならなくなって

自慰行為に及ぶ

女は宙返りを始めた

女はビルからビルへと飛び移る

俺はもう我慢出来ずに

射精の瞬間を迎える

一瞬脚が痙攣したと思ったら

俺はイッテしまった

しかし、精液は出ない

若い頃のようには行かなくなってしまった

しばらく全身が痺れていたが

その後神様のことを考え出して

もう神様の前には出られないと思った

全身タイツの女はいつの間にかいなくなった

 

これが悪魔の詩

しかし神の血肉が、霊が

私を引き寄せてくる

私は欲望をいっぱい抱えて

神の前に立ち、祈る

豊穣な静けさが、私を包む

清らかな歌が聞こえてくる

私は祭壇に跪いて、イエス・キリストの受難を思い出す

交読詩編の朗読、キリエの歌声

聖餐で礼拝は頂点に達する

砕かれたイエスの身体、流されたイエスの血

私は確かにイエス・キリストを食べた

そして家に帰り、また神と悪魔の血肉と闘う

 

祈りが弾けて

詩が生まれる

私は神に祈った

私は悪魔に祈った