詩 いのち、と書いてみる

いのち、と書いてみる 
なんて軽いことばだろう
政治家や宗教家も、同じことばを吐き出す
見えないものを、なぜ見えるように言ったのか!
彼らは見えないものを見えると
嘘を付くだけだろう
ことばは軽く回転して
彼らの概念を強める
しかし、ことばは概念を遥かに超え
アカデミズムにまみれた詩人のペンを超えて
大地や星々を覆う
まるで雪みたい
僕は雪になってしまった
寒い空気の中に立っている一本の木になってしまった
ことばは僕を取り囲み
雪になって僕を凍らせる
太陽よ光よ
あなたのことばはどこにあるのか?
雪ではない光のことばは
所詮見えなくて理解出来ない
いのち、のことばなのだろう

政治家や宗教家のように
いのち、という言葉は使いたくない