詩 まことにまことに田舎で

 

久しぶりに詩を書きました。

 

まことにまことに田舎で

日本一偏差値の低い大学があって

世界はスマホからしか開かれなくて

年取った母のため息があって

寒くて

寂しくて

誰も本なんて読んでなくて

アカデミズムに守られた詩人と

スマホから流れる英語のうたと

苦しみしか与えない精神病院と

みんな仕事が好きで働いていて

それで心も身体も疲れていて

誰も楽してなくて

誰も楽しくなくて

まことにまことに田舎で

日本一偏差値の低い大学があって

世界はスマホからしか開いてなくて

年取った母のため息があって

寒くて

寂しくて

映画館なんかなくて

みんな食べて呑むしか興味がなくて

子ども達は田舎から出たくて

東京には何かあるって想っていて

ニューヨークには何かあるって想っていて

日本一偏差値の低い大学があって

世界はスマホからしか開いてなくて

年取った母のため息があって

まことにまことに田舎で

海しかなくて

雪野原しかなくて

でも海は答えを出していて

雪野原も答えを出していて

スマホは答えを出さなくて

音楽や詩は答えを出さなくて

 

誰かカネくれ