詩 私は呼吸する

私は呼吸する

薄暗い青い森か

薄暗いアパートの万年床か

それとも、薄暗い大聖堂の中なのか

私は呼吸する

呼吸して言葉を吐き出す

言葉を吐き出して、誰かを喜ばせ、誰かを傷つける

そして後悔する

「あぁ言葉なんかなくなればいいのに

言葉で自分は裸になってしまった」

そして呼吸する

「自分は元から裸だったんだ」

そしてまた言葉を吐き出す

私の言葉が人を生かすものになっているのだろうか

私の言葉は本物か

文法はどうか、気の効いたフレーズはどうか

私の思考は海へ流れ出す

私の言葉は海ヘ流れ出す

そして私は呼吸する

言葉はいのち

呼吸はいのち

いのちが取り去られるまで

私は呼吸し

私は言葉を吐き出す