詩 笑顔は僕を裁く

笑顔は僕を裁く
君は何の屈託のない笑顔を
暗く沈んだ僕に届ける
君は知らないだろうが
僕は笑顔に聖化される
君は笑いたいときに笑い
笑いたくないときにも笑う
君はなにか世界を無理やり祝福するように
時間のかなたに笑顔を向ける
そのなんという清さよ
笑顔は僕のけがれを映し出し
僕の欺瞞や怠惰をあぶり出す
薔薇や百合にひざまずくように
僕は君の笑顔に祈る
まるで名も知れない地上の諸霊にみちびかれるように拝む
君は化け物かもしれないし
君は若いし年老いているかもしれない
君は何も知らない
僕の存在も知らない
しかし僕は笑顔に裁かれる
君の笑顔はなんてかわいいのだろうか