俳句十二詠

お久しぶりです。趣向を変えて俳句を詠んでみました。 旧仮名字出ぬATOK雨水かな 死はリアル動悸だけして蜆喰ふ 死の先は何もないよと蛙鳴き 哀しみは切つて捨てよと二月尽 リヒテルの春の響きよかなしけれ 雪解よ目眩は止めてブログ書く 雪解の道の泥濘人生…

詩 豊穣の方に舵を切る

豊穣の方に舵を切る 花は咲き始めた 鳥は歌い 川は水嵩を増した 木々の緑は鮮やかに 豊穣の方に舵を切る 雪は溶け 氷は太陽に破れて 熊たちは踊り始める 鹿は谷を駆け 燕たちが飛んで来た 豊穣の方に舵を切る 灰色の日常は終わった 固まった筋肉はほどけ出し…

詩 祈りが弾けて

あけましておめでとうございます。今年も宜しくお願い致します。 祈りが弾けて 詩が生まれる 私の血肉には 二つの血が流れている 神から出たものと 悪魔から出たものだ 詩はどちらかといえば 悪魔から出たものだと思う 嘆き、つぶやき、ルサンチマン、異常な…

詩 「神は生きている」と

「神は生きている」と Facebookに投稿したら、原理主義者と言われた 別に思想や主義主張の話をしたのではなくて 信仰の話をしただけなのに 思想と信仰に乖離があるとまずいけど 思想を造るほどアタマは良く無いし 信仰を体系的に学んだ訳でも無い しかし、僕…

詩 満月だから

満月だから あの言葉、その言葉 出そうとしている 満月だから 悪魔もまた 詩を書かそうとしている あの言葉、その言葉を使って 人を蔑む、刺激いっぱいの 詩を書かそうとしている 満月がなんだ!太陽がなんだ! 上には神が居てくださる 天使の言葉を伝えよ …

詩 頭の痛みは

頭の痛みは 見えないものの声 わたしは沈む 無意識の海に 言葉は潜水具 声を聞く唯一のアンテナ 深海魚は歌う 海百合が祈る わたしの息は苦しくなる 闇が海水にまとわり付く その時わたしは見つけた 海底の砂地から出てくる光の声を わたしはノートを取り出…

詩 堪らないサブスクリプション

堪らないサブスクリプション 僕が眠っていても目覚めていても、お金が掛かるサブスクリプション 僕をどこへ連れて行こうとしているのか? 経済への執着 目に見えないが股間が感じる 薄っぺらい栄光への執着 サブスクリプションよ 僕の治療料を奪わないでおく…

詩 詩の才能はないのだけれども

詩の才能はないのだけれども これだけは詩に書きたい 上を見ると憧れしかないし 先を見ると不安しかない だけれども、だからこそ 今を生きるんだ 今、何をするか考えろ 今日、汗をかけ 恥ずかしいし君は聞きたくないだろうけど 明日ではなくて、今日頑張れ …

詩 会いたかったかもしれない

会いたかったかもしれない あなたは狭いドアを無理やりこじ開けて お金と引き換えに、笑顔と愛をくれる あなたの姿は眩しくて 眼を閉じたら、あなたはそれでいいと言った あなたの声を聴き、私は笑った あなたの声は、聴き飽きることが無かった でもあなたは…

詩 どんどん新しくなる

どんどん新しくなる 新陳代謝を繰り返して どんどんどんどん新しくなる フクヤママサハルが言っていた 特急のように景色を流して どんどんどんどんどんどんどんどん新しくなる 奇数は嫌いだ 設定温度を22度にしよう どんどんどんどんどんどんどんどんどんど…

詩 時代遅れ

時代遅れ インターネットの世の中で キリスト教を信仰するのは 時代遅れなのだろうか? 自然科学で何でも説明出来て 地球や生命までも自分の都合の良いように変える事の出来る時代に 哲学書を読むのは 時代遅れなのだろうか? 資本主義が世界を覆い 自分の思…

詩 死は生を炙り出す

死は生を炙り出す 生は死を飛び越える 生は死を理解しない 禿鷹の嫌みをイメージする 死臭は詩を奪い 埋葬は祈りを思い起こす 死骸には魂が無く 祈りは空中を舞い遊ぶ 線香の匂いを嗅げ やがて君も死ぬのだから 僧侶の読経を聞け 死はこのように消費される …

詩 ネットの記事の見出しに

ネットの記事の見出しに コンプラがなんとか、と書いてあった コンテナとかテンプラとか面白くなって 見えないものなんかどうでもよくなってしまった コンプラが何か、とは知らないし、調べるつもりもないけれど 見えないものははそんな味気ない言葉に埋もれ…

詩 消える

久しぶりの更新です。 久しぶりに詩を書きました。 消える 魂と言葉が消える 透明なガラスと光の渦巻き ブーンとした音が聞こえる すると、心が消える 偽物のリアリティ 形の無い衝撃が、心を消してゆく 「魂はそもそも見えるの?言葉はどこから生まれてくる…

詩 自由、ゲットー

自由、ゲットー 人々は偽物の神様のゲットーに居る 偽物の神様は目も見えないし耳も聞こえない 死んでいる人々の神様なのだ 偽物の神様を拝んで とても丁寧な儀式をして、拝んでいる 偽物の神様のお恵みで 人々は美味しいお酒を呑む お酒は人々に全能感を感…

詩 いつになったら

いつになったら眼が覚めるのだろう 夢から夢へ、転がってゆく 不安定な気持ちは何だろう 自分の実力を大きく越える欲望 それに自我が巻き付くいやらしさ 僕は性器のように、いやらしくなった 欲望は開発されて 夢から夢へ、性器の赴くままに 快楽を貪って、…

詩 儲けたいなら

儲けたいなら、喋らないこと 詩なんか書かないこと 遠くのものを信じて もっと遠くのものを信じないこと儲けたいなら、アタマを空っぽにすること 高潔な精神を捨てること 子供っぽくて値段だけが高いガジェットを身に付けること 絵画や詩集を買わないこと儲…

詩 もしも奇蹟が起こるならば

もしも奇蹟が起こるならば 全ての「イズム」を壊して欲しい 資本主義、社会主義、権威主義、民主主義 そんなの粉々に壊れてしまえ 僕は真実を知りたい、愛したい 全ての「イズム」が邪魔なんだ 「イズム」は人間を「発達」させた でも見てごらん、人間は自分…

詩 登る

登る ヤコブの階段を登って 世界を所有したいと思う 幾つもの未来の幸運と財産と 現在の痛みと反逆を抱えて 世界を造りたいと思う 観念の王国を建国し 恵みの共和国を宣言したい 登る 電気の力を使って 音楽の力を借りて 世界を造ろうと思う 鉄道はヤコブの…

世界哲学史

今週のお題「買ってよかった2021」どーも、スズキヤスフミです。何で年末年始は寒いんでしょうね。お正月はめでたいけど嫌になっちゃいます。さて「今週のお題」、買ってよかった物ですか… 今年は酒と本しか買ってないような気がします。(あとサブスク)晩…

詩 詩を書こうと思った

詩を書こうと思った 祈った インスピレーションを貰おうと思って 万年床の隣りの「現代詩手帖」をパラパラ読んだ クリスマスパーティーの明けた二日酔いのアタマでは 理解出来なかった 字が並んでいるだけで ノリが感じられなかった 詩を読むときの「うた」…

詩 幾千万の言葉の中で

幾千万の言葉の中で 幾千億の孤独を感じる 幾千兆の音楽の中で 幾千京の孤独を感じる 大きな時間、小さな時間 僕は子供だった 小さな世界、大きな世界 僕は未熟だった まるで成熟していないのに熟成された ブドウ酒のように 僕は世界に放り出されてしまった …

詩 何だか壊れてしまった

何だか壊れてしまった バカになってしまった Bluetoothが途切れる 言葉が出てこない 最初から壊れていたかもしれない バカになってそんな事も判らなくなってしまった 話が通じない コミュニケーションがとれない 孤独だ みんなには解らない とても高いところ…

詩 いのち、と書いてみる

いのち、と書いてみる なんて軽いことばだろう 政治家や宗教家も、同じことばを吐き出す 見えないものを、なぜ見えるように言ったのか! 彼らは見えないものを見えると 嘘を付くだけだろう ことばは軽く回転して 彼らの概念を強める しかし、ことばは概念を…

キムチは旨し

今週のお題「赤いもの」韓国料理旨いな…どーもどーも、スズキヤスフミです。 今週のお題、「赤いもの」ですね。北海道で赤いものと言えば余市や七飯のリンゴ、紅鮭、そしてコンサドーレ札幌にBIG BOSS新庄氏の記者会見の服(笑)とまぁいろいろありますが、…

詩 自動車に魂を奪われるな

自動車に魂を奪われるな 母の頭を抑え付けろ 移動の自由を制限しろ そんなものもともとなかったのだから 鉄道に乗れ、バスに乗れ 廃棄ガスを撒き散らすものを潰してしまえ 自動車に支えられている民主主義は嘘っぱち 鉄道の社会主義の方が地球に優しい 母の…

詩 子どもや動物が可愛いのは

子どもや動物が可愛いのは いのちしか持っていないからだ桜の花や楓の紅葉が美しいのは いのちを燃やし尽くしたからだ酒やラム肉が美味しいのは いのちを食べているからだ僕や君が苦しんでいるのは いのちが見えないからだ

詩 青白い炎の中で

青白い炎の中で 俺はいのちの熱を見た いのちは空気を炎に燃やして 見たことのない熱を出す 俺は熱を感じた、いや感じていない 触覚が麻痺して、感じていないだけだ 熱は眼に見えない、聞くことも出来ない 触覚の麻痺は致命傷になる 麻痺した脳は いのちを値…

好きなお酒ベスト10!

はてなブログ10周年特別お題「好きな◯◯10選」 どーもこんにちはこんばんはおはようございます。お酒が入ると眠られなくなるスズキヤスフミです。今日も酔っ払って眠られませんね。ラジオ深夜便聴きながら書いています。 さて、はてなブログの賞品目当てでブ…

詩 鴉

鴉 函館山に鴉が鳴く ゴミを食べて鳴く 山雀を捕まえて鳴く 雲丹の殻を地面に落として鳴く 鴉 宇賀浦海岸に鴉が鳴く 夏でも鳴くし 冬でも鳴く 鳴き声が寂しいのは 死体を想像させるから